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カレーのふところ

by SAKI.S

家に帰ってきて、ふとカレーが食べたいなあと思う。カレーという食べものはなぜか定期的に食べたくなる。冷蔵庫を開けるとおばあちゃんちで採れたさやえんどうとブロッコリーの花(?)、にんじん。

さやえんどうはカレーに入れたことがないけれど、きっと合うはず。ブロッコリーの花とさやえんどうの緑が、鍋の中でまぶしい。

カレーの懐の大きさには驚きだ。さやえんどうとブロッコリーの花、だと料理が全然浮かばないのに、カレーに入れたとたんいけるかな、となるのだから。

玉ねぎをじんわり飴色になるまで炒め、ちょっと古くなったにんじんをほうりこむ。豚肉しかなかったので、少し小さめにちぎりながら入れる。最後にブロッコリーの花とさやえんどうを入れて、ぐつぐつ。

ちょうどぐつぐつしているタイミングに、これを書いている。カレーは一品でいいし後片付けが楽だし、カロリー高いけれどその後うどんにできたりするところがふところの深さだ。

料理好きだったらぜひともカレーを極めたいところだけれど、そこまでのエネルギーをもちあわせていないところが残念だといつも思う。

カレーのおいしさは、つくるところから始まる。炒めて、ぐつぐつ煮込んで、ルーを入れて、という3ステップを経ることで変化を楽しめる。ところでカレーをつくっている鍋も重要だ。ル・クルーゼのお鍋は重いけれど炒めていても全然くっつかないし、鍋が分厚いからか炒めているとき、煮込んでいるときにとても美味しそうに見えるのだ(実際美味しくしてくれているのかもしれない)。

さて、そろそろ煮詰まったころだろうか。無印のカラーボックスを開けてルーを探すと辛口しかなく、普段より少しぴりっとしたカレーになってしまった。

豆ごはんだったので図らずもなんだか健康そうなカレーに。さしずめ五穀米のグリーン野菜カレーといったところだろうか(5つもないけれど)。

何回か書いているけれど、私はグルメじゃないくせに食エッセイが大好きだ。文章に出てくる食べものに出会うととたんにそれが食べたくなり、普段じゃ絶対やらないのにソファやベッドから立ち上がってキッチンに立つことがある。

『巴里の空の下オムレツのにおいいは流れる』を読んでオムレツをつくったり、『ねじまき鳥クロニクル』を読んでパスタをつくったり、AIR SPICE水野さんのエッセイを読んでカレーをつくったり。

そういえば今日はじめて、前から気になっていた近所の昔ながらのパン屋さんに入ってみた。外から眺めるとパンが一つ一つラップにくるまれて、薄暗い店内にぽつんぽつんと置かれていたので、おいしいのかなあ?なんて思って入ったことがなかったのだ。

えい、と入った店内は誰もいない...と思ったら奥からおばあちゃんが出てきた。夕方だったのでだいぶパンは売り切れていたけれど、残っていた数少ない甘いパンの中からあんドーナツとショコラケーキを選ぶ。どちらも100円ちょいと都内にしては安い。

帰宅後早速食べてみると、思ったよりもずっとおいしい。あんドーナツのあんこは甘すぎず、ドーナツも脂っこすぎず、くせがない味が懐かしくて残すつもりが一気に食べてしまう。ショコラケーキは見た目とは裏腹にずいぶんとしっとりしていて、こちらも甘すぎないからぱくぱく食べてしまった。

食べものを美味しく書けるってすごいと思う。何かについて表現するのは難しいけれど、食べものをおいしそうに、またはまずそうに書く、というのは私の中で一番ハードルに高い部類に入る。

食エッセイが好きなのは、だからかもしれない。

一人だとなかなかごはんを食べないので(面倒くさがり)、誰かと食べるごはんが好き。

それでは、また。





SAKI.S
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