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“良いもの”に囲まれて

by SAKI.S

今年初の真夏日だったここ数日。昨日は暑いなか役所系をてくてく回ったので、すっかりバテてしまい、ふっと右手にあらわれたスムージーの看板に目を奪われた。

いちごスムージー、ジンジャーとなんちゃらスムージー、ほうれん草のスムージー...色とりどりのスムージーが、直射日光と湿度でやられた私の脳に刺激的だったので、思わず立ち止まる。

細かく見てみると、飛び込んでくる¥マーク。540円くらいか...普段飲むものといったらもっぱら水の自分にとっては、高い。ましてや人と飲んでいるわけではないし...と思っていったん通り過ぎた。

でも、と思ってまた立ち止まる。時間は15時。1日はまだあと半分残っている。今がまんして帰宅後ばったりと倒れてしまうよりは、少しスムージーを飲みながら休憩した方があとあといいんじゃないか...そう思って、引き返した。

レモンとヨーグルトのスムージー。甘さはおすすめのもの。ももがゆや、というおかゆ屋さんがやっているスムージーだからか、どれも健康そうに見える。アンドプレミアム6月号で取り上げられたらしく、店内にあったそれをぱらぱらめくりながら、スムージーができあがるのを待つ。

スムージーは冷たくて、少し頭がキーンとしたけれど、20分くらいてくてく歩いていた疲れが少し取れたように感じた。

20代半ばにかけて、体力ががっくり落ちるよなんて母に聞いていたけれど、20代半ばに差し掛かった私は今、その言葉をひしひしと実感している。特に、10代のころまでは毎日運動をしていたから、なおさら。

数時間外を歩いたり、ショッピングに出かけたり、友達とごはんを食べに行ったり、そんなことをするだけで、そのあとぐったりしてしまう。

だからかな、疲れやすくなったと実感することが増えているから、”良いもの”に囲まれたいなあと思うようになった。

ものにこだわりがなく、引っ越しが多かったから持ちものも少なく、お金を使うなら本か美術館か旅行に使いたいと思っていた。

100円でも、5000円でも、同じ機能をはたすなら、100円でいいと思っていた。

でも、そうやっててきとうに集めた食器や食材や、おはしや炊飯器、テーブルや椅子に囲まれて過ごしていると、ごはんがおいしくなく、疲れもとれないことに気づく。

頻繁にくっつくフライパンや水がはねやすいお鍋は、調理できるけれど、おいしくないし、ストレスもたまる。

疲れやすくなる。体力が落ちてくる。だから、年を重ねれば重ねるほど、一般的に人は”良いもの”を求めるのかもしれない。

スーパーではなく、八百屋さんで買ったりんご。少し値のはる、中華鍋。おばあちゃんからもらった、浅めのお茶碗。ペットボトルの炭酸飲料ではなく、一からつくられた、スムージー。

全てにこだわり、”良いもの”を選ぶのは金銭的に難しいけれど、少しずつ、”てきとうに買ったもの”を”良いもの”に変えていって、ものを増やさずなるべく長く使いたい。

愛着をもったものに囲まれることで、自分も大切にできる。時間を、大切に過ごせる。

体力がありあまっていたときにはわからなかったことが、すーっと腑に落ちるように、なってゆく。

年を重ねるのも、体力を失っていくのも、マイナスのことだと考えられがちだけれど、”ものの良さ”がわかっていくなら、得るものだってあるはず。

そんなことを思った、スムージーとの街歩き。

それでは、また。


SAKI.S
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