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概念として好きなたべもの

by SAKI.S

概念として、好きなたべものがある。

例えば、ホットケーキ。またの名をパンケーキという。家でつくる、昔ながらの、ホットケーキミックスでつくる、シンプルで家庭的な味のものをホットケーキと言い、原宿などで提供される、海外由来のホイップクリームやくだものがたくさんのったものがパンケーキと呼ばれている。

小麦粉と、卵と、バターと、牛乳と、砂糖と。そんなシンプルで、甘くて、優しい味が、ふわふわの食感とと合わさって、口のなかで溶けていく。ホットケーキ、またはパンケーキと聞いたとき、私の頭のなか、そして口のなかには、幸せということばが広がっていく。

だからホットケーキのエッセイやパンケーキの紹介記事なんてみると、思わずホットケーキミックスを買いにスーパーへ走りに行き、卵を割ってつくりたくなる。でもいざつくってみると、思ったようにふわふわのものができない。ホイップクリームがたくさんのったパンケーキを食べに行っても、3分の1ほど箸、ではなくフォークを進めたところで、飽きてきたな...という言葉が頭をよぎり始め、ナイフを動かす手のスピードが落ち始める。

ホットケーキもといパンケーキは、どうも、文字のなかで、写真のなかで味わっているときが、いちばんかんぺきで美味しいのだ。

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あんみつ。漢字で書くと、餡蜜。響きも漢字も、トロトロとした甘美さがある。蜜豆に、あんこに、白玉に、黒蜜に、さくらんぼに、みかんに、寒天。色とりどり、食感とりどり、味とりどり。涼しげな器に盛られたあんみつは、緑茶と縁側と夏の風鈴が似合う。

でも個人的には、あんみつはそこまで好きではない。あんこや黒蜜といった甘さと、みかんやキウイ、さくらんぼといった酸味が合わさるのが苦手だし、寒天の食感が好みではないのだ。でも、あんみつという響きも見た目も好きなので、いつも、口に入れるとその美味しさが味わえなくて残念な気持ちになっている。

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パフェも、その響きと見た目がたまらないたべものだ。バリエーションの豊かさも外せない魅力。でも実際は食べきれたことはないし、10分、夏場だと数分経つころにはアイスが溶け始め、最後には液体と化してしまうところが、最初の見た目とのギャップもあいまってどうも苦手なのである。ぱふぇ、パフェ、parfait。どれも優しくて繊細な響きだから、文字を見て、頭のなかで味わっている。

たべものと書いておきながら、たまらなく甘美で食べたくなるけれど実際にはそこまでではないもの、は全部スイーツだった。もっと美味しく味わえたらいいのになあ、もっと好きだったらいいのになあ、と思いながら今日も、パフェだのあんみつだのホットケーキにまつわる文章を探している。

最近、冬だからか食欲だけでなく食エッセイ欲も旺盛である。ずーっとたべものについての文章を追っているのだ。食にまつわるお話、なんでもいいのでおしえてください。

それでは、また。


SAKI.S
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