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チーズタルトの欲望

by SAKI.S

この間買い物をしていたら、ふとチーズタルトで有名なベイクのお店が新しくできていた。

チーズタルトしか売っていないのは知らなかった。その思いきりの良さに惹かれ、列ができていたけれど思いきって最後尾につく。

トレードマークの黄色、その黄色い箱が、レジの後ろにたくさん並ぶ。さながらディスプレイのよう。

黄色やオレンジ、赤色は、食欲を増幅させるらしい。並んでいる間、ぴかぴか照明で光る黄色い空間を見つめていた私の食欲は、ピークに達しようとしていた。

母と一個ずつ買い、すぐさま袋から取り出して、チーズタルトを口にする。

噛んだ瞬間、とろっとあふれだすチーズクリーム。チーズの酸味はなく、甘いのにべとっとした粘り気はなく、「ほどよい」とはこのことか、という、さっぱりもこってりもしていない、絶妙なバランス。

そして何より、その下のタルト生地が本気だ。さくっとしていてかつ香ばしく、小麦粉焼き菓子が好きな私はノックアウトされた。

こういうお菓子はタルト生地の手がぬかれていることが多いけれど、ベイクのチーズタルトは本気だ。さすが世界一おいしいチーズタルトを、というだけある。

それからというもの、すっかりチーズタルトにはまってしまい、なかなか買いにいけないベイクの代わりに、近くのスーパーで売っているチーズタルトを帰りに買っている。これがなかなかいけるのだ。

ものがあふれていて、選択するのがつかれてしまう時代だからこそ、思いきって一つの商品しか扱わないのは、勇気がいるけれど、逆に惹かれる。

私も本屋をやっているけれど、自宅の一室という限られたスペースなのもあり、本はたぶん100冊くらいしか置いていない。しかも平置きにしているので、限られたスペースが更に限られている。

その分、どれも自分が読んだ本であり、どれもおすすめしたい本であり、一つ一つコメントをつけていっている。

一つ一つ、ゆっくり手にとってもらいたいからだ。

あれもこれも、とできてしまう時代なので、あえて絞るのは勇気がいるけれど、個人がやるなら特に、自分自身が選択する覚悟をもたないとなあ。

そんなことを思った、ベイクのチーズタルトだった。美味しいし箱がビビッドなのでお土産にぴったりです。

それでは、また。

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SAKI.S
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