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言葉を溜める

by SAKI.S

ダロウェイ夫人という古典英米文学がある。

大学1年生のときに授業で読んで以来、かれこれ4-5年、手元にあった本だ。

授業では最初の方しか扱わなかったのか、全部読んでいなかったので、その後たびたびにわたり、読破しようと試みた。

が、何回読んでも内容が頭に入ってこない。進めようと思っても、ページをめくるその手は、数字が若いうちに早々と脱落してしまう。

それでも、その間にわたる数度の引越しを乗り越え、今も手元にある、数少ない本だ。

先日、ふとした拍子に4回目くらいの再チャレンジをした。

するとどうか。初めてダロウェイ夫人をおもしろいと思え、今やページは半分くらいまで進んだ。

やっぱり、本でも人でもなんでも、タイミングってあるんだなあ。

出会ったタイミングと、ぴったりじくるタイミングは、また違う。

出会ったときにしっくりこなくても、時間がたったのち、しっくりあてはまるものはある。

そういうものや人は、つかず離れず自分のそばにいるんだろう。

ダロウェイ夫人は物語を楽しむ話ではない。その時間の流れに、意識の流れに、文章の流れに、言葉の流れに、ひたすら身を委ねる。

それがなんだか、心地いい。

今は、普段よりも小説やエッセイを読んでいる。自分が好きな文章や心に残ったフレーズを、万年筆とノートで書き写す。

言葉を、内側に、溜めているのだ。

いつか時間が経ったのちそれらが混ざり合って発酵して、自分の文体になればいいな、と思いながら。

それでは、また。

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SAKI.S
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