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あたたかみのある文章を

by SAKI.S

友人に吉本ばななの本を譲ってもらったので、久々に読んでいる。

集中的に読んだのは、たしか6年前くらいだ。そのころの私は、思春期のころ好きだった、日本の現代女性作家の文章が、なんだかじっとりとしていて、自分とその文体の雰囲気が近すぎる気がして、苦手だった。

吉本ばななもそのうちの一人だったので、あまり読み返すことなく、気づいたら手元を離れていた。

ところが久々に読んでみると、感傷的でもやわらかすぎでも、じっとりしているわけでもなくて、ただただあたたかみのある文章だった。

読んだあと、じんわりと指先に残る、読後感。

そこには確かな重みがあり、自分の今、まわりにいる人たちのあたたかさを実感する、きっかけとなる。

あ、と思った。そうだ、私はなにかを伝えるために、文章を書く仕事についたり、こうやってプライベートでも何かを書いているんだ。

そう思っていた。

でも今は、どんな文章であれ、それが仕事であれ個人的なものであれ、あたたかみのある、確かな実感をともなう、そんな文章を書きたい、そう思うようになった。

それが小説であれ、エッセイであれ、インタビュー記事であれ、あたたかみがあること。しっかりとした、重みを感じられること。

今は、いやいつの時代もそうかもしれないけれど、人を焦らしたり、不安にさせたりするメッセージや文章が、多すぎる。

だから、少しだけでもいいから、そんななかにあって、読んだあと、ちょっと指先があったかくなるような、そんな文章が書けたらな、と思うのだ。

そんなことを思った、吉本ばななの小説だった。

最近は、文章や文体、言葉についてぼんやり考えている。答えは出ないけれど、それがどこかへ、たどり着きそうな気がしていて。

それでは、また。

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SAKI.S
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