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リクルートスーツが怖かった

by SAKI.S

リクルートスーツを見るのが、怖かった。

春から夏あたりにかけて増える、リクルート姿の就活生。目につくのは女の子ばかり。黒髪で低めの位置のポニーテール、膝丈のスカート、黒いパンプスに真っ黒なバッグ、そして肌寒い時期はベージュのトレンチコート。

意識しているからか、どこにいたって、どれだけ人がいたって、パッと目に飛び込んでくる。
そんな時期が、かれこれ2年は続いた。就活を始める前と、そして就活をしないと決めてからの、時期。

就活を始める前は、(月並みな表現だけれど)何か大きな流れにそのまま流されそうで怖かった。この道しかない、って感じるようで、何を見ても何を食べても誰といても、のどの奥、胸の上あたりの息苦しさが消えなかった。

就活をしないと決めてからは、本当にこれでよかったのかな?ともやもやした気持ちが消えなかった。新卒というプラチナカードをどぶに捨てたことを、「もったいない」と言われるたびに、胸がざわざわした。

「みんな同じ格好をして、気持ち悪い」っていう人もいるけれど、確かに、みんなそろって同じすぎるとは思ったことはあるものの、そこまで強く思えなかった。就活しなかった自分が正しいと、自信をもって思えるわけではなかった。卒業してからもそうだ。

最近になってやっと、リクルートスーツの女子を駅や都心で見かけても胸がざわざわしなくなったし、新卒がどうのこうの、就職がどうのこうの、意識にのぼることが少なくなった。

いわゆるフリーランスであり一応個人事業主ではあるけれど、大声で「就職するよりいいですよ」とポジショントークする気にはならない。自分がいる環境ゆえに、この選択をした/できたしな〜としみじみ実感するからだ。

でもいつか、プラチナチケットをどぶ捨てた私を見て、就活や就職に馴染めなくて...という人が「こういうのもあるんだなあ」と思ってもらえるといいなと思っている。そう、かつての息苦しかった自分のように。

3年前の自分に今の姿を見せることができたら、きっと少しは楽だったはずだから。

視野は広がったようにみえ、また新たなところで視野が狭くなる。その繰り返しだけれど、「こんなのもあるよ」「こんなのもありなんじゃない?」「そういうのもいいね」が増えていけばなと思う。

もし学生で就職や新卒フリーランスに悩んでて...みたいな方がいれば、(いるかわからないけれど)お話聞きます/します。

それでは、また。


SAKI.S
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